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3年生 稲刈り

2019年10月13日

厳しい残暑の中に、ようやく秋の訪れを感じ始めた9月末。3年生は、稲刈りに行ってきました。
春に自分たちの手によって植えた苗は、自然の恵みを受けてすくすくと順調に成長していました。
しかし夏休みが明けてすぐ、あの各地に猛威をふるい、甚大な被害をもたらした台風15号がやってきたのです。そしてその台風は、3年生の田んぼにも、やってきました。
9月初めにドイツで行われたシュタイナー教育100周年・教員研修大会から帰国した翌日、3年生担任の伊藤先生は、疲労も時差ぼけもそっちのけで田んぼに駆けつけ、すべてが横倒しになった稲をひたすら起こし、もうひとりでは立てない稲たちを、数束ずつ集めては束ね、集めては束ね、水や泥から引き上げ、稲たちがお互い支え合って、今この状況を持ちこたえる手助けを必死にしてくださいました。
「大丈夫!頑張って!」と稲に声をかけながら、時には元気になる呪文も唱えながら、ここで稲がだめになってしまわないように、3年生の子どもたちが稲刈りに至れるように、精一杯を尽くしてくださいました。
本来ならば、10月半ばまで刈り取らずに、たくさんのデンプンがお米に送られるのを待ちたいところでしたが、泥がついた稲から芽が出てきてしまわないうちに、稲刈りをすることになりました。

さわやかな秋晴れの日。
3年生は稲を育て守ってくれた、田んぼに、森に、里山に住む大鷹に、感謝を伝え、稲刈りを始めました。
数束ずつランダムに束ねられた稲は、整然とは並んでいないけれども、なんだか力強くたくましく、がっちりと支え合い、それでも美しい稲穂を垂れ、個性を尊重された中で互いを認め手を取り合うまさに3年生クラスのようでした。
ほとんどの子にとって稲刈りは初めての経験で、側から見ていると、鎌を持つ手と刃先の行方にどきどきしてしまいましたが、どの子もまるで初めてのことではないかのような落ち着きと、手つきで、お互いに声を掛け合い、稲刈りが進みました。田んぼの泥の中を移動するのは容易なことではないだろうに、細い畦道も、しっかりとした足取りで、みんな軽快にそれぞれ分担された作業をしていました。みんな手がとてもよく動くと感じたのは、普段からよく手足を使い、体に働きかけているからでしょうか。
どの子も集中して立ち働く姿は、とても美しかったです。

刈り取られた稲は今、校庭ではざ掛けされています。
今だけは、残暑の最後の強い日差しが、稲にたっぷり降りかかることが何よりありがたく感じています。
(3年生保護者 高旗晶子)