2年生クラスより 〜採蜜体験〜

2016年05月27日

 春休み中に東京賢治シュタイナー学校で行われたヘルムート・エラー先生の講座で「2年生には蜜蜂の話をするととても良い。」という話がありました。掃除当番など協力して働くことを学び始める2年生にぴったりだと思った私は紹介された本の英語版をすぐに取り寄せました。
*『The Bee Book』『Little Bee Sunbeam』Jakob Streit 著*
 2年生の年間を通してのお話は動物寓話と聖人伝です。寓話ではイソップやジャータカ物語などをよく話しますが、この最初の部分に蜜蜂の話を入れることにしました。
 上記の2冊は筆者が養蜂をやっていたお父さんから巣箱を1箱もらって蜜蜂の世話をした体験がもとになって書かれたものです。蜜蜂の習性や暮らし方が1年間の流れの中でとてもわかり易く興味を引くように子ども向けに書かれています。子どもたちは初日から目を輝かせてどんどん蜜蜂を身近に感じていきました。
 実際に養蜂をやっている人が近くにいないかオヤジの会のメンバーのお父さんを通して探してもらいました。すると若葉台の近くで空いている農地に巣箱を置かせてもらっている人がいるという情報がもたらされました。早速お会いして子どもたちに蜜を取る採蜜を見せてほしいとお願いすると「喜んで!みんなに蜂蜜も分けてあげましょう。」というお返事を頂きました。(やったー!!)

2016採蜜体験1

 そしていよいよ5月21日(土)の午前中に採蜜を見学させてもらえることになったので、前日20日(金)には本の中の「Honey Day」という蜂蜜を採る日の出来事を話しました。
煙をシュパシュパと巣にかけると蜂が火事だと思って避難するために蜜をお腹いっぱい吸います。すると少し温和になり刺されにくくなるだとか、人間はゆっくり動いて蜂を驚かせないようにするなど、お話しの中で大切なことが語られるので子どもたちはその場でどのように振る舞えばよいかを私が教えなくてもすっかりわかっていました。

2016採蜜体験2

 養蜂家の鈴木さんの説明はまず巣箱の中はどうなっているのかということでした。蜜が詰まった板状の巣と蜜が貯められる前の巣は重さが全く違い、蜜が詰まった巣は子どもが一人で持つには重すぎるくらいでした。蜜がいっぱいになった穴には蜜蝋で蓋がされます。この蜜は越冬用の食糧です。何と賢い智恵でしょう! その蜜蝋の蓋に指を突っ込んで皆は巣から直接蜂蜜の味見をさせてもらいました。この巣の蜂蜜はアカシアの蜜だと聞いて、アカシアの蜂蜜が一番好きな私は大喜びしました。
 巣板の裏表の蜜蝋で蓋がされた穴に棘棘のついたローラーでゴロゴロと穴を開け、それを手回しの遠心分離器(小型のドラム缶)に2枚ずつ入れてハンドルを思いきり速く回します。すると蜜が分離器の壁にぶつかり滴り落ちて底にたまります。それを布でこして蜜蝋などを除いたものを瓶に詰めます。
2016採蜜体験3
一人一人が腕が痛くなるくらいハンドルを力強く回しました。それから持ってきた蓋つきの瓶いっぱいに採れたての蜂蜜を注いでもらい、手についたのはもちろんなめました。
 その後はみんな巣の入口の前にしゃがみこんで熱心に蜜蜂を見ていました。子どもたちのまわりには巣に出入りするたくさんの蜜蜂が飛んでいるのですが、それを全く怖がることもなく初夏の日差しのもと蜜蜂に見いる子どもたちの様子はこの上ない平安な光景でした。

2016採蜜体験4

 それまで話してきた蜜蜂の生態、働き蜂は足に黄色い丸いパンツ(花粉だんご)をつけて帰ってくることや、死んだ仲間は元気な蜂が巣から運び出すということが本当のことなのかを子どもたちは実際に見て確かめました。この季節に巣作りを始めるため、今のうちに捕獲しなければいけない蜜蜂の天敵オオスズメバチの女王の死骸も見ました。下見の際にそれを見て驚いた私の話を聞いていた彼らも体長約8cmのそれを見て「オー!」と驚いていました。
 指先に蜂蜜をつけて巣の入り口付近に指を近づけると蜜蜂は指にとまって口からピンク色の管を出して蜜をなめました。子どもたちは自分の指先で蜜を吸う蜜蜂の様子を飽きずに見ていました。
「今まで食べた蜂蜜の中で一番おいしい蜂蜜だった!」という感動の声が何よりも鈴木さんへのお礼になったと思います。もうすぐ下川井(若葉台の少し先)へ巣箱を移すことになったそうですが、「そんなに遠くないので他のクラスの子たちもいつでも見に来て下さい。」とおっしゃってくださいました。このご縁を大切にして今後も蜜蜂体験ができれば良いなと思いました。
(2年生担任 神田昌実)

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