PeruのKusi Kawsay Andean School(*注)から
Roman(ロマン)さんという方が
来校されました。
学校の校舎の美しさに圧倒され、
“Beautiful”と何回も言っていました。
普通のビルのフロアを
内装でここまで有機的な建物にできるなんて、
すごいと感動していらっしゃいました。
そして、水道場のタイルに
引き寄せられるように歩み寄り、
いろいろな角度から
観察していらっしゃいました。
もちろん男子トイレの
芸術的なタイル張りもみていただきました。
書道部の生徒たちの作品が飾られた玄関をみて、
日本で見学した他の学校の児童たちは
タブレットに書き込んでいたが、
この学校では自分の手で書いているのだね、
本当に大切なことだと見入っていました。
6年生から9年生の子どもたちと出会いました。
最初はケチュア語で話しかけ、
それから英語で話されました。
どこから来たでしょう?
という質問に最初「コロンビアかな」
と言う声が聞こえました。
ある生徒によると自分が聞いたことがない、
検討がつかない言葉の響きだったから、
南アメリカのほうの言葉かな
と思ったそうです。
ほかの生徒は肌の色から
インドかと思ったそうです。
また、かぶっていた帽子の雰囲気や
腰まである三つ編みという髪型に
南アメリカの山のほうか
と思ったということでした。
「山が南北につらなっているところ」
と言うヒントを聞いてから、
「チリ」「ペルー」という国名がでてきて、
正解を言い当てました。
それからアンデスの笛(パンフルートの一種)と太鼓の曲や
チャランゴという弦楽器(10弦)で
アンデスの彼の故郷の曲を
奏でてくださいました。
山々の連なりと青い空がどこまでも、
どこまでも続く景色を想像させる雄大な、
穏やかな曲でした。
「ありがとう」と調べたばかりの
ケチュア語で「スルパイキ」
と話しかけたところ、
それはスペイン語の影響を受けた言葉で
自分たちのとは違う、とのことでした。
彼らのケチュア語で「ありがとう」は
「Urpillay Sonqollay」
(You make my heart flutter like a dove)
私の心で鳩が羽ばたいています。
というのだそうです。
「ウルピヤイ サンコヤ」←と聞こえました。
6年生から9年生がお礼に歌った
「さくら」を聞いているときは、
椅子の後ろに立ち、
目を閉じてじっと
耳を傾けていらっしゃいました。
とても美しい。と喜んでくださいました。
Roman(ロマン)さんは子どもたちに
「自分のシュタイナー学校と
ここは同じ雰囲気で自分の故郷にいるようです。
みなさんもいつかペルーに来てください。
そしてペルーの子どもたちも
日本にくるかもしれません。」と
言ってくださいました。
行きたい!
と思っている生徒がいたようです。
(英語専科 渡辺未穂子)
*注 Roman(ロマン)さんの在籍するKusi Kawsay Andean Schoolはペルーの山岳地帯クスコのそばのPisacという村で先住民の権利、文化、暮らし方などを守り、大切にするシュタイナー学校を運営しており、2021年にユネスコESD大賞を受賞しました。
ユネスコスクールネットワークのサイトにも活動報告が掲載されています。こちらもぜひご覧ください。
こちらのブログは学園、十日市場校舎のタイルの補修工事の模様です。