国連 SDGs(持続可能な開発目標)と学園

2018年5月20日

今年度から、学園のホームページやチラシなどに、このカラフルなロゴマークがついています。お気づきでしたか? 昨年11月には学園の講師が、パシフィコ横浜で開催された「SDGs こどもワークショップ」でファシリテーターを務め、ワークショップ「世界がもし100人の村だったら」を行いました。 (※ワークショップ「世界がもし100人の村だったら」にご興味がある方は、こちらのルポをご覧ください。https://yokohama-steiner.jp/series/11749/) さて、近頃話題のSDGsと学園の関係とは…? 学園の活動グループ「ユネスコスクール」からの投稿です。 最近、マスコミの報道でSDGsが話題に上ることが多くなりました。 2015 年、国連は「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択しました。この計画には、「貧困をなくす」「飢餓をなくす」「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみん なに」などの17項目が掲げられており、この17項目を2030年までに達成しようという国際目標がSDGs(Sustainable Development Goals)なんです。 色とりどりのロゴマークが作られているので、目にした方も多いのでは。この目標は、各国政府、企業、NGOだけでなく、地域社会や個人の共通の倫理基準としての活用が期待されています。 もちろんユネスコスクールは重要な担い手です。2011年にユネスコスクールに認定された横浜シュタイナー学園は、良質な ESD(持続可能な開発のための教育)の教育実践とともに、ユネスコ本部の気候変動アクション参加等を通じてSDGs に貢献しています。 学園のカリキュラムは非常に優れた環境教育の体系をもっています。たとえば、動植物の学びを環境と関連付けて学び、植物の部位ごとの燃焼の違いから生物を構成する様々な物質が環境から取り込まれては環境に還っていく循環に目を向け、地球規模の現象と人間自身を含めたミクロな現象が関係し合っているという視点を育む、というように。このカリキュラムは、2014年に国連ESDの10年の最終年に日本で開催されたユネスコスクール世界大会の記念刊行物『ユネスコスクールESD優良事例集』に収録され、英訳版も作られて世界中の教育者や政府関係者、環境NGOなどの人々に届けられました。 このような優れた活動が認められ、横浜シュタイナー学園は2016年に文部科学省から「サステイナブルスクール」の称号を受けました。2018年度からは、「ESDの深化による地域のSDGs推進事業」に位置づけられ、地域と結びついたESDの取り組みによってSDGsのゴールを目指すことが期待されているのです。 学内では、このことを意識した上で、SDGsロゴマークの積極的使用について話し合い、使用しています。 (ユネスコグループ/事務局 佐藤雅史)

小鳥パンを担当して

2018年4月26日

ちょっぴりの緊張とそれを大きく上回るワクワク感で迎えた新年度。 1年で最初の祝祭である春祭りには、入学したばかりの1年生も参加します。 春祭りでは毎年、保護者が、子どもたちのために「小鳥パン」と呼ばれる かわいらしいパンを焼くのが恒例になっています。 さて今年の小鳥パンも美味しく出来上がったでしょうか。 3年生保護者によるレポートです。 4月16日月曜日、待ちに待った新一年生の初登校の日。学園では一年生と上級生の対面式の後に春祭りが催されました。在校生と教員たちが一年生を迎える春の祝いとして、毎年行われています。 校庭で歌を歌ったり、うさぎや鳥やひよこの形をした在校生の手作りの宝物を探し終えると、最後に小鳥の形をしたパンを全員でいただきます。この「小鳥パン」と呼ばれるパンを焼く係を、3年生保護者が担うことになっています。 全部で 150羽焼くのですが、今回、私も焼く係のひとりでした。ほとんどパンを焼いたことがないにもかかわらず、係に立候補したのです。 思い出すこと2年前、長女が春祭りを楽しんでいる間、私は隅で様子を見させてもらっていました。子ども達と先生方にパンが配られた後、保護者にもパンが配られたので、ひとつ手に取りました。 そしてあろうことか、私はいただいたパンを見て、全く別の動物だと思い込んでしまったのです…。(焼いてくださった方、私の想像力が足りずに申し訳ありません!) でも、そんな経験が、パンを焼く自信が全くない私の背中を押してくれたともいえます。 練習で何とか小鳥のような形になり、ほっとしたのも束の間、本番を仕込む時間がやってきました。生地を休ませていると、他の保護者から様子伺いの連絡がやってきました。「調子はどお?」と、写真つきです。近況を報告し合っていると、突如、悲鳴が飛び込んできました。 「ぎゃー!二次発酵中に小鳥がみんな合体した!」「首も落ちた!(発酵中に生地がだれてきて胴体から頭が落ちること)」「もはやこれは小鳥なのか…」「毎年事件が起きる」 にぎやかなやりとりに励まされながら、作業を続けましたが、二次発酵を終える頃までに予想外のことが起きたりして、あくせくしました。 小鳥の形はさまざまあり、どんな形に成形してもいいのですが、私は発酵中に頭が落ちてしまう「ゴトリパン」にならないように、頭と胴体の一体型にしました。なのに、くびれが全くない上、二次発酵で膨らみすぎたため、まるでエイのように仕上がってしまいました。(空よりも海を泳いでいそう…) 嘆いていると、娘が「いいんだよ!パンがあればいいんだよ!」と、一生懸命フォローしてくれました。その一生懸命さに、母は苦笑い…。 当日、きっと子ども達にはちゃんと小鳥に見えたはず、と信じています。でも念のため、ここに書き留めておきたいと思います。 みなさん、春祭りで配られたパンは紛れもなく、全て「小鳥」でしたよ! (3年保護者 松山ちかこ)

日々の行いがカルマを作る。〜 見ること、聞くこと、話すこと 建築を通して 全三回に参加して〜

2018年4月8日

春です!学園前の桜は、例年より早く花びらを舞い散らし、新しい1年生の子どもたちを待ちわびているかのようです。 昨年度開かれた「建築講座」の感想文を保護者が寄せてくれました。 学園では、今年度もたくさんの公開講座の開催を予定しています(もちろん建築講座もあります!)。WEBサイトで最新の情報をご確認の上、ぜひご参加ください。 「よかったら遊びに来てね」 入学後のある日のこと、朝の送迎が終わった私はお庭の会のメンバーから一枚のチラシを受け取りました。 建築家・講師/岩橋亜希菜氏を迎えての建築講座。 チラシを受け取ったときの素直な気持ちは「学園で実施される講座の中で建築は私に一番関係なさそうな話だなぁ」という後ろ向きなもの。 チラシをすぐに折り畳み手帳に挟み込んだ、学園に息子を送り→仕事→お迎え→帰宅の怒涛の日々を過ごしていたある日、仕事のスケジュールが変わって、毎週火曜は休みとなり、 私は、友達を誘って映画にでも行こうかと思いながら手帳を開いた、、、その時、挟み込んでいた建築講座のチラシと目が合った。 3回の連続講座はすべて火曜だった。「この講座に参加しなさい」と誰かが耳元でそう囁いたかどうかはわからないけれど、気が付けば最初の講座の日にちを迎えていました。 最初の講座は7月11日(火) シュタイナー建築ってなに? シュタイナー建築ってどこにあるの?(講座の中で学園がシュタイナー建築であることを知る) 体からこぼれんばかりのハテナを持って参加した私ですが、講座が終わってみれば「シュタイナー建築面白い!私、この学園にしてよかった!岩橋亜希菜さんがとっても気になる!」 とすっかり講座を楽しんでいました。 亜希菜さんが現在手掛けている幼稚園の話。これまで手掛けた建築の写真を見ながら聞いた話はすごく心に響くものばかりでした。 そして、自分には関係ないと思って参加したはずなのに、この講座を通してシュタイナー教育についてのいろいろな疑問が納得の方向に進みだした事を肌で感じることができたのです。 二回目の講座は10月10日 (火) 前回の講座からこの日までの間に、私は少しでもシュタイナー教育についての理解を深めたくて、猿谷先生(※広報注:学園オイリュトミー教師)の読書会に参加もした。 R・シュタイナー著「神智学の門前にて」を読了し、シュタイナー建築についてインターネットや、図書館でも調べた。 講座の中でいつか行きたい公園として、家族で何度か話したことがある「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」がシュタイナー建築と分かりうれしくなったし、先生が手掛けている北海道の建築物や、個人のお宅の写真も見ることができた。 そして講座の最後には先生や参加者の方といろいろな話もした。初日の緊張はなく心から講座を楽しめました。 最後の講座は2月6日(火) 講座の中での先生の発言で今でも印象的なのが「日々の行いがカルマを作る」という言葉と、「自分自身が今楽しんでいるか」というものです。 私はまちがいなく学園生活が楽しい(子供の方がもちろん楽しいだろうが)。だから「はい!」と元気いっぱいに答えた。 知らないこといっぱいだけど、シュタイナー教育や、シュタイナーさんについて知ることは楽しい。 建築講座に出て、よりシュタイナー教育を身近にも感じたし言葉に出来ない満足感がこの講座の中にはありました。 建築の話を通して聞いた12感覚について、プリペアド・ピアノ、惑星についての話も興味深いもので帰宅したあともいろいろと調べました。 建築講座を通していろいろなことを自分で調べてまた世界が広がった気もしますし、知識を得ることができたのはありがたいです。 講座のあとから我が家に訪れた変化もありました。 それは、子供の寝顔を見ながらシュタイナー教育を選んでよかったなぁと思うことが増えたことです。 それは私の中にまたシュタイナー教育が少し入ってさらに温かく子供を包むことができた事にあると思います。 講座で聞いた話の具体的な内容はあまり書いていませんが、それはまた講座があるならばそこに参加したときのお楽しみにしてもらいたいので控えました。 次回建築講座があるなば、シュタイナー建築についてよくしらないし、理解できるかわからないと思っているような方に是非参加をおすすめしたいです。 なぜなら、それは講座を受ける前の私だからです。 主催したお庭の会の皆様ありがとうございました。当日のおひさまカフェのお菓子やパンも最高でした。そして講師・岩橋亜希菜さんに感謝を込めて。 (2年保護者 林恵子)

公開講座・多面的シュタイナー考察「医学」

2018年2月19日

1/28(日)神之木クリニック・山本忍先生(学園校医)による「4つの臓器に学ぶ」 〜 満員御礼ありがとうございました。〜 講座などに出かけて行くと、その場のライブ感はもちろんのこと、数日経ってから、ふと気づくことがあったり、そうか!と腑に落ちる時があったり、そんな余韻も、まさに醍醐味だなぁと、いつも思います。 毎回ライブ感から余韻まで、たっぷり味わえる忍先生のお話、身近な質問に答えていただきながら、随所に気になるキーワードがたくさん飛び出し、参加者の皆さんが深くうなずく姿が印象的でした。 シュタイナーの言葉の中で、とてもよく出てくる「認識」についてのお話は、あらためて深く意識するきっかけをいただきました。 そして、何か物事が起きた時に、自分の捉え方次第で、世界の見え方は一変するということ、自分は何を見て、何にフォーカスしていくのか、ということを、ほんとうにあたたかさを持って伝えていただいたように思います。 忍先生、ありがとうございました。 以下、アンケートより参加された方の感想です。(抜粋) ●とてもよかった。 ありがとうがスタート地点という教えは何にでも通じていると思いました。 ●とても興味深いお話ばかりでした。 もっとお聞きしたいと思いました。 日々の在り方、問い直されました。 また今日から一歩ずつ今を楽しく生きていきます。 ●すごくよかった。 認識すること、中庸すること、悪いと思っている中の良さを見て感謝すること、大事にしたいと思いました。 ●色々な事が一人の人と(自分と)繋がっていることを感じました。 「認識する」ということで、怒りや不安が消えるということに納得しました。 晩秋「手足口病」になったので、今日のお話を聞いて今が楽しみになりました。●感謝することの大切さを改めて知りました。自分の中のご先祖様や育ててくださっているすべてに感謝して毎日を過ごしていきたいと思います。素晴らしい講座をありがとうございました。 ●「怒り、恐怖は認識すると消える」という言葉が心に残りました。 次回3/19(月)には、今年度最後の講座、 連続講座・多面的シュタイナー考察その4農業「土のこと地球のことを考える」 があります。どうぞ奮ってご参加ください。 (勉強会グループ 4年生保護者  鈴木しのぶ)

1/21開催「多様性の教育」レポート

2018年2月4日

1月21日(日)、東海大学教授の小貫大輔さんを講師にお迎えし、保護者有志グループ主催で「多様性の教育〜多文化・複文化を身につけて生きるということ〜」を開きました。 「今小貫さんが最も熱く取り組んでいることをテーマにしたい」というのが、私たちから小貫さんへのリクエストで、それに応えて「多文化共生」をテーマにしてくださったのです。 「差別や偏見のない社会」や「互いの違いを認め尊重すること」が大事だということは、私も頭ではわかっているつもりですが、私が暮らし学園のあるこの街には、インドのインターナショナルスクールがあり500名ものインドの方が住んでいらっしゃるというのに、私にはまだインドの友達がいません。どのようにして、あらゆる背景を持った人たちが認め合える社会をつくることができるのか。そもそも日本人同士だからって違いを認めて付き合っていけているだろうか。「多文化・複文化を身につけて生きるということ」についてちゃんと考えてみたい。そう思って当日を迎えました。 小貫さんは、東京大学とハワイ大学の大学院で性教育を学んだ後、ブラジルに渡って、エイズ予防、自然分娩・母乳育児の推進、子育て支援などの活動をしてきた方です。その間に、スラム「モンチアズール」で、アントロポゾフィーをもとに貧しい人たちの支援をしてきたウテ・クレーマーさんに出会い、協働してこられました。帰国されてからも多国籍の子どもたちの教育支援などを精力的に行っています。 小貫さんこそ「歩く複文化」!(笑)国が違えば挨拶もこんなに違うのか、という具合で参加者同士体感した「おじぎ」「握手」「ハグ」で会場はかなり温まり、皆、ぐいぐい話に引き込まれていくのがわかりました。 私が小貫さんの講座に参加するのは3回目ですが、毎回、背景にある豊かで大らかな世界観に魅了され、終わった後には大きな力をもらったような気持ちになります。この日参加された30名もの人たちがみんな笑顔でいい表情をしていたのがとても印象的でした。 日本に住む外国籍の方のお話にも触れられました。外国籍の子の教育環境のことを、私は今まで知ろうとしてきませんでした。同じ県内の海老名市や綾瀬市には多くのスリランカのイスラム教徒が住んでいて、自分たちで学校を作って子どもを教育していることも初めて知りました。今の日本では外国籍の子どもたちに教育を受けさせる義務はありません。彼らがやがて大人になり、日本で働き暮らしていくかもしれないのに。共に生きていくことで、より豊かな社会が作れるはずだという話には大きくうなずきました。 「未来の人類は、隣人が不幸である限り、誰もやすらいだ気持ちで自分の幸せを喜ぶことはできなくなるだろう」 ウテ・クレーマーさんが大事にしているシュタイナーの言葉だそうです。 そして現代に重要なキーワードが「Empathy=共感」だと小貫さんは言います。アクティブラーニングという言葉をよく聞くようになりましたが、世界の先進は「共感」の教育や、「赦し」の政治なのだそうです。 ダイバーシティアンドインクルージョン。多様性と違いを認められる社会が、私たちが進むべき未来。Empathyの力で本当に豊かな社会を作っていかなければ。そのためにはどうしたらいいのでしょう。 「多文化政策、多様性を認められる社会を作るには、複文化を持つ人を育てないといけない」というお話がありましたがその通りですね。まずは私自身もEmpathyを大事にしていこう。 あ!1年生の時から2ヶ国語を学び(※シュタイナー学校では、言語習得のためというより、異なる文化を知るための入り口として低学年から外国語の授業があります)、心を育てる時期にシュタイナー教育を受けている学園の子どもたちは良いセンいってるんじゃない?なんて、また手前味噌に思いつつ、せっかく近くにいるのだから、インドインターナショナルスクールとの交流も生まれたら良いなと思い描いています。 講座が終わって日が経ちますが、国によって異なる文化=挨拶のワークショプの余韻が残っています。相手に配慮し繊細に気配を感じる「おじぎ」。しっかり目を合わせて硬く手を握り合う「握手」。握手よりも距離を縮め相手の懐に入っていく「ハグ」。どれが良い悪いじゃなく、どれもそれぞれの国の人たちが大事にしてきた文化で、それぞれの良さがある。でも私がじんわり温かく心地よく思い出されるのは、ハグでした。時には思い切って距離を縮めて相手を知ろうとしてみる。最初は恥ずかしくてドキドキするしちょっと怖い気もしますが、きっと温かいものが生まれることでしょう。 最後に。今回は近隣でインドの方たちと交流している団体の方や、日本語教師の方、公立小中学校の先生、日系のブラジルの方、小貫さんの学生さんなど、学内保護者以外の方の参加もあって、まさにテーマの通りの交流が生まれたことがとても嬉しかったです。ご参加いただいた皆さん、何より講師の小貫大輔さん、ありがとうございました! ※この講座の収益は、2018年3月29日〜4月2日開催「 “社会イニシアティブ”世界フォーラム」のために来日する、ウテ・クレーマーさんの渡航等諸費用に全額寄付されます。 “社会イニシアティブ”世界フォーラム  http://waldorf.jp/2018/01/16/wsif/ (3・6年生保護者 中島美穂)

12月8日「アドヴェントの庭」に参加して

2017年12月21日

校内のあちらこちらが、やさしく美しいアドヴェントの飾りで満ち、いつもより一層、あたたかな空間となっている学園で、12月8日金曜日に、アドヴェントの庭(通称:りんごろうそく)が行なわれました。 日中の時間が一年で一番短いこの時期、夕方に再び登校した頃には、すでに陽は暮れ、群青色の空は、刻々とその色を濃くし、夜へと向かっていきました。一年生の娘は、緊張した様子もなく、すでに集まり始めていた一年生の輪の方へ駆けていき、私はいつもよりも厳かな空気に満ちた校内で、静かにその時を待ちました。 青い布で部屋中が覆われたオイリュトミー室は、外界からの光が入り込むことなく、中央に灯された1本のろうそくの灯が、やさしく奏でられるライアーの響きに、揺らいでいました。たった1本のろうそくの光なのに、なぜか眩しいくらいに光り、その光の強さに、私は何度もまばたきをしました。2年生、そして1年生が部屋に入り、先生の素話の後に、ひとりずつりんごを受け取り、モミの木で描かれた渦の道の中を、中央に灯されたろうそくまで歩み、手元のりんごろうそくにその灯をうつします。そして、そのりんごろうそくを、モミの木の渦の道に並べ置き、もと来た道を戻ります。手にしたりんごろうそくに、中央のろうそくの灯をうつす時、ひとりひとりの顔が、ろうそくのやわらかな光に照らし出され、胸の奥から熱いものが込み上げてきました。それは、まさに、ひとりひとりの魂の光が照らし出されいるようでした。小柄な子なのに、中央の灯に向かって歩く姿は、堂々といつもよりも大きく見えたり、華奢な印象の子なのに、りんごろうそくを手に歩く様子は、しっかりとした太い芯の通った姿だったり、慎重にじっと灯を見つめる子や、軽やかに誇らしげに歩く子。そこには、ひとりひとりの持つ真の姿が映し出されているようでした。それはなんとも不思議な光景でした。ここにあり、ここでないところにいるようでした。 全員がりんごろうそくに灯を灯し終え、つくり出された渦の道は、息をのむほどに美しい光の道で、今日ここに集った1年生、2年生の魂の輝き、そして歩む道を導き、照らすものとなっていました。 会が始まる前に先生が語られた「きっと一生に一度か二度くらいしか経験することのないこの日」という意味が、とてもよくわかりました。そして、その一度をこうして、あたたかな愛と光のもとに経験させていただけたことに、感謝の思いでいっぱいです。 アドヴェントの庭が終了し、灯の消えたりんごろうそくを大事に手に持ち戻ってきた娘は、なんとも言えない寝ぼけたような顔をしていて、私が感じた「ここではないところ」に、娘は行っていたのだと思ったのでした。 ライアーの響き、子どもたちの歌声、そして光に照らされた道。親の私も、子どもとともに歩む灯をしっかりと分けてもらったアドヴェントの庭でした。 (1年保護者 高旗晶子)

12月3日(日)開催「アドヴェントのつどい」に向けて

2017年12月1日

アドヴェントは聖夜までの4週間。冬至に向かって日に日に暗くなり寒くなっていく外の世界とは反対に、心にともした灯の明るさやぬくもりを感じる時期でもあります。 この時期、横浜シュタイナー学園の大人たちは、忙しくも楽しい日々を送っています。アドヴェントに向けて着々と準備を進めているのです。 11月14日。霧ヶ丘校舎の中は、甘いミツロウの香りでいっぱいになりました。この日はろうそく作りの日です。湯煎して溶かしたミツロウの中に、芯を浸しては乾かし、少しずつ少しずつ太らせて、アドヴェントだけでなく年間の授業や行事で使うろうそくを作ります。 12月3日開催「アドヴェントのつどい」の準備も兼ねて、ローズウィンドウやトランスパレントという紙でできた窓辺飾りや、ろうそくを立てるアドヴェントクランツ、リース作りなどが進んでいます。 学内は「ああ、今年もこの季節がやってきたんだなあ」という気分で満たされ、毎年巡ってくる祝祭によって、1年のリズムを感じています。 「アドヴェントのつどい」は、いよいよ明後日。美しく飾られた校舎でこの季節の学園の雰囲気を味わっていただけるイベントです。ご家族やお友達など、お誘い合わせの上、ぜひお越しください。 (広報の会) おやこでむかえる「アドヴェントのつどい」 日時:12月3日(日)    霧が丘校舎  10:00~15:00    十日市場校舎 12:30〜15:30 内容: ◦教師によるアドヴェントのお話と 高学年音楽会  11:00~11:50 / 13:00~13:50 ◦ろうそくづくり 10:30~ / 12:00~ / 13:30~ ◦人形劇「かさじぞう」 10:30~ / 11:30~ / 13:00~ / 14:00~ ◦親子で楽しむワークショップ  羊毛の天使・まどべかざり ◦一年生の教室公開 ◦手づくり品販売 ◦カフェ ◦星の金貨(スクールショップ) 【同時開催 学園紹介in十日市場校舎】 ☆6〜9年生の美しい学び舎である十日市場校舎にも、ぜひお立ち寄りください。 ・教室公開と学園案内 会場には教員もいますので、ご質問等お気軽にお声かけください。 ・古本&古着マーケット シュタイナー関係の古本、子ども用の洋服(150cmまで)と雑貨のリサイクル販売を行います。 ※最新情報、詳細は学園サイトをご覧ください。 https://yokohama-steiner.jp/?p=11376

4年生の授業から「大地の凸凹を辿る 川探険」

2017年11月12日

4年生では郷土学の授業が始まります。 まずは学校の周辺を実際に足を使って学びました。 担任教師による授業レポートです。 2学期に入り、遠足に行きます、と子どもたちに伝えていた。その次には、川探険と伝え、「梅田川の始まりを見よう、川のはじまりってどんなふうになっているだろうか。」「始まりは、(ふだんの森の散歩や田んぼへの往復で馴染んでいた)にいはる市民の森ではなく三保市民の森にあるようです。」と話した。「滝がある。」「川がある。」「難しい。わからない。」という答えに、「水がたくさん湧き出しているのだろうか、小さな水たまりみたいなものがあるのかな。」「始まりの川って大きいのかな、小さいのかな。」とたずねてみた。川の始まりと問われると、子どもたちは鮮やかに描くことが難しかったようだった。たしかに、わたし自身も見ていなければ、考え込んでしまうかもしれない。 東洋英和女学院大学脇の砂利道を下り、鬱蒼とした緑の森に入る。足元はふかふかしていて、緑のどんぐりが落ち始めていた。木々が茂っていて、蚊が多い。起伏が激しく、森の入り口から尾根までは、5〜10分もあれば登れてしまう。森の中には、小川を予感させるような音も聞こえない。上り下りを繰り返し、小さな橋で立ち止まる。橋と言っても、人が谷に下らずに、向こう側に進むために渡されたような小さな橋。橋の下には、水が流れているわけでもなく、水量が増えたら、森の下の方に川のように流れていくのだろうということが想像できるくらいの窪みである。地表をよくよく見ると、しみ出した水で土の色が濃くなっている。思わず手を伸ばし、一口喉を潤したいという澄んだ水やこんこんと湧く始まりではない。空から降った一滴がこの森に落ち、見えない道を通って大地の中からしみてきたのだろうという穏やかな地味な始まりだった。橋の上から眺め、子どもたちは何を思っていたかはわからない。橋の下(1メートルもない)まで降りて、少し湿ったやわらかい茶色の地表を確認してみる子どももいた。森を抜け、コンクリート壁とフェンスで仕切られた小さな川を辿り、念珠坂公園前、一本橋めだか広場までと子どもたちも通ったこともある梅田川沿の道を歩いた。 2回目は、一本橋めだか広場から、梅田川、恩田川、鶴見(谷本)川と合流するまでの川沿いを歩いた。川幅が広がり、周辺の景色も一戸建て住宅、畑、田んぼ、高層の集合住宅、工場へと変わっていく。道も平坦なものになる。横浜という市街化が進んだ地域を感じることのできる風景だった。子どもによっては自転車などで通ったこともあり、「もうこの道を知っている!」という子もいた。そんな感想も予想され、普段とは違う新しい気持ちで川を眺めることができるように、川の幅や流れや深さ、岸の様子、見かけた生き物を書く表も作っていた。見かけた鯉の数を合算している子もいた。子どもたちは「疲れた、まだ(歩くの)ですか?」と言いながら歩き、お弁当を食べ終えるとすぐに遊び始め、「おやつ(甘味)は別腹」を思い出すように、「遊びは別腹、別の力」というほど元気になる。 3回目は、さらに鶴見川の始まりを町田市の源流にたずねたいと計画したが、秋の長雨で延期になっている。大地の凸凹を辿る川探険は、横浜、町田、川崎と行政区分だと異なる地域から通う子どもたちが、みんな鶴見川流域に住んでいるんだ、川で繋がっているんだ!と実感できる探険であってほしい。この後、好天に恵まれますように。 (4年生担任 西尾早知子)

多面的シュタイナー考察「幼児教育」に参加して

2017年10月15日

9月24日に、松浦 園先生(ヴァルドルフキンダーガルテンなのはな園/日本シュタイナー幼児教育協会代表理事)をお迎えして、【連続講座  多面的シュタイナー考察 】その2「幼児教育」を開催しました。 参加した学園保護者による感想をお伝えします。 生まれたからには誰もが経験する幼児の時代。 これに「教育」とつくと、少し難しい事のように感じていたが、参加してみると、これはどのお母さんお父さんでも心当たりのある、日常の中での積み重ねなのだと思えた。 シュタイナー幼児教育における、大人が幼い子供にしてあげるべき事はとても明快。 「その子が描いた夢を、自分の力で実現するための力を育むこと」 それにはまず、全身でよく動ける健康な身体を作りと、子供が元々持っている創造力(自らの力で遊びを作り出す力)を壊さないこと。 そして「私は(僕)はここにいる」と、自分の内側を感じられる環境を作ってあげること。自分を感じられると他者も認められるようになる。 シンプルだけど、奥は深い… 実際に9才と6才の子供達と日々暮らしていく中で、毎日のリズムを心がけたりメディアや食べ物に少しは気を遣っていたりするつもりたが、ついつい日々の細々とした事に流されていく。 しかし松浦先生は、思ったらその日その時が始める時。遅いということはない。と仰られ、背中を押してもらった感じがした。 そして一番大切なのは「今 この子に何が必要か」を考えること。 とも。 これは、その子への愛情につながるのかなと思った。 必要な事を見極める為には、親である私がまずしっかりと軸を持つことが大切。 ヨレヨレの時もあるが諦めず子育てしていきたいと思った。 松浦園先生には、上の子の幼稚園でお世話になった。とても幸せな3年間を過ごさせて頂いた。 今回の講座は、時にユーモアを交え、笑顔のこぼれる会場で、温かく力強く子育てについてお話し頂いた会だった。 (3年生保護者 小野山陽子)

9/8(金)アイリッシュデイ

2017年10月2日

9月8日(土)に、十日市場校舎で「アイリッシュデイ」が開かれました。この催しは日本とアイルランドの国交樹立60周年記念事業として外務省の承認を受けた、6年生から9年生、保護者のライアーの会、そしてライアー奏者ジョンビリングさんによる、音楽を中心とした公開公演です。 今回の企画はこれまで3回学園で演奏して下さったアイルランド在住のジョンさんから、今年が国交記念の年に当る事を伺い、6・7年生頃に授業で取り組むアイルランドの音楽の学びを深めるためのよい機会と考え、実施に至りました。 公演が始まり、6年生の笛の穏やかなメロディにライアーの響きが重なると、ゆったりとした船に乗っているように感じられました。7年生が描いた色鮮やかな絵を示し、英語でアイルランドの紹介をするとお客様が熱心に見入っていらっしゃいました。全員でのダニーボーイの歌について、公演後ジョンさんは「遠く離れた日本で子どもたちが歌ってくれるなんて…こんなに嬉しい事はない!」とおっしゃっていました。 その後は情感にあふれた素晴らしいジョンさんのソロ、ライアーの会との総勢12人でのアンサンブルの演奏でアイルランドに思いをはせました。そして9年生のアイリッシュダンスは華やかな演奏に支えられ、息のぴったり合った、軽やかで生き生きとした演技で、拍手喝采を受けました。 最後に日本の曲、浜辺の歌は6~9年生3人とジョンさんのライアーで静かな波のきらめきのように始まり、その後笛、フルート、ギター、ヴァイオリン、チェロ、ピアノと歌が加わり 会場が一体になって演奏に浸りました。 <プログラム> 1.サリーガーデン(6年生:笛/ジョンビリングさん:ライアー) 2.アイルランドの紹介と詩の朗誦 ウイリアム・バトラー・イエイツ[He wishes for the cloths of heaven. ] (7年生) 3.ダニーボーイ(6・7・8・9年生:合唱) 4.ライアーソロ演奏 [slievenamon]他 (ジョンビリングさん) 5.I will tell me ma(9年生:アイリッシュダンス、演奏) 6.洗濯おばさん,Erenor purannkett,bridget cruise,アーウィンに捧ぐ(ライアーの会・ジョンビリングさん) 7.浜辺の歌(6~9年生:合奏、歌/ジョンビリングさん:ライアー) 外部のお客様より6~9年生に対して  ・1つ1つが充実した内容で、とても濃い1時間だった ・自信を持ち、自分のすることに誇りをもっていることが感じられた ・地にしっかりと足が着き、心は開かれていて明るさがあり、素晴らしかった  との感想を頂きました。 今回の発案者であるジョンさんは、「全てが素晴らしかった。この学園はとても開かれていて、生徒も先生も、保護者も最高です」と、翌日のライアーコンサートの時にお話しくださいました。 (音楽専科教員 原口理恵)