設立までの道のり

(1期生担任:長井麻美 談)

横浜にはシュタイナーを取り入れた幼児教育施設や活動体がたくさんあり、全日制の学校へのニーズがありました。

2002年3月、私(長井麻美)は隅田みどり先生、神田昌実先生、現在治療オイリュトミストとして活躍している石川公子先生とともに「よこはまシュタイナー教育の会」の小中学生クラス(土曜クラス)の教員をしていました。そこに国内のシュタイナー教育の普及に尽力されている松田仁さんがやってきて「そろそろ横浜にも、全日制のシュタイナー学校を創る時期が来たのではないか」と切り出したのです。

同じころ、子どもたちを全日制のシュタイナー学校に通わせたいという大人のグループも生まれ、そのグループと合流して2003年4月に20人が集まり「横浜にシュタイナー学園をつくる会」の発起人会が開かれました。

作る会のメンバーには、子供を入れたいけれど既に自分の子供は大きくなっていたり、距離的に無理だったりして入学できない人もたくさんいました。しかし、「自分の子には通わせることができないが、全日制のシュタイナー学校をつくることが、日本の教育に大きな意味を持つに違いない」と考え意欲的に活動をしていました。そういう人たちが今でもNPO会員として支援をして下さっています。全国のどこかにいてエネルギーを送って下さっていることを、わたしたちはいつまでも忘れないでいたいと思います。

さて、いきなり学校をつくるのは難しいだろうから、まずNPO法人になったらいいのではないかということで、1年半の準備の末、2003年12月NPO法人格を取得しました。

その後は校舎を探すために、手分けして色々な物件に足を運びました。しかし、なかなか理想的な建物は見つかりませんでした。あきらめかけていた頃、緑区に元塾として使われていたビルが見つかりました。そこは、近くに萱場公園や新治市民の森もあり横浜としては自然に恵まれた環境でした。校舎をここに決めたのは、2004年5月末のことです。

しかしその建物は、3年ほど空家になっていたため、天井には穴が空いていたり、部屋には古い蛍光灯が積んであったりして、荒れ果てていました。

どのように人を集めるのか、改修工事がわたしたちの力でほんとうにできるのだろうかと途方にくれていたのは9月、ミカエル祭の季節でした。

とにかくこの校舎に命を吹き込もう、ここにシュタイナー学校を創りますと宣言しよう、と奮い立ち、改修前の建物のまま初めての「オープンデイ」を一週間ほど開催しました。その期間中のある日、全国から11人のオイリュトミストが駆けつけ、全部屋をオイリュトミーで祝福して下さいました。また、ここで開いた入学説明会には将来保護者になろうという方々が大勢集まってくださいました。

2004年末にようやく開校のメドが立ちました。大きな業者工事を済ませた後、NPO会員の方々や入学希望者に呼びかけ、壁紙をはったり、ペンキを塗ったりとボランティアで内装作業のほとんどすべてを行いました。

こうして、2005年3月27日、その年の復活祭に校舎完成のお披露目を行い、4月10日に初めての入学式を何とか迎えることができたのです。一期生は1・2年生の複合クラスで始まりました。