HOMEブログ > 教材―多言語で「日本の昔ばなし絵本」を作って

教材―多言語で「日本の昔ばなし絵本」を作って

2025年5月14日

横浜シュタイナー学園の
公式WEBサイトに
外国語教材が追加されました。
今回はその教材が作られることになった背景を
ブログにてお届けします。

 

わたしは昔ばなしを子どもに語る時間が
何よりも好きで、
子どもがぴたっと横に座って
お話に聞き入っている姿を
愛おしく感じていました。

自分の子どもが大きくなってからは
近所の日本語教室で
大人や子どもと一緒に季節のわらべ歌を歌い、
日本の昔ばなしを英語で語りました。

わらべ歌は不思議と、
誰でもすぐに一緒に口ずさむことができました。

昔ばなしを聞いてくださった方は、
目をきらきらさせて
「情景が思い浮かんでわくわくした」
「ずっと聞いていたかった」
と感想を述べてくださいました。

また、「笠地蔵」のお話を聴いたことで、
20年以上日本に住んでいながら、
物語に出てくる正月の準備など
新年を寿ぐ(ことほぐ)習慣を
はじめて知ったそうです。

そんな経験から、学園の子どもたちが
英語で昔ばなしを語ることで、
身近にいらっしゃる
外国からきている方と交流したり
自分が違う文化圏に行ったときに
紹介することができたりしたらいいなと思い
この本を作りました。

岩手に伝わる「豆つぶころころ」のお話を
学園で外国語として学んでいる
英語(渡辺未穂子・福井大学 リッチ マイケル)と
中国語(王ミャオ)に、さらにパキスタン出身の教員
(リズワン サラ)がウルドゥー語に訳しました。

訳にあたり、
子どもが読みやすいように
行かえの工夫をし、
歌はリズム感がでるようにしました。

また本校の保護者でもある加納真理が
日本文化になじみがない人でも
イメージしやすいように
挿絵を添えました。

WEBサイト上では
本をめくるように読むこともできます。
またダウンロードして、教材として
使っていただくことも可能です。

本を購入していただくと、
多言語ならではの違いに気が付くことができ、
異文化理解の授業でも
役立てていただくことができます。

読んでくださった海外の方からは
「お話のイメージが湧いて、劇にしても演じやすそう」
と好評を得ています。

たくさんの方にお楽しみいただけることを
こころより願っております。

 

(英語専科 渡辺未穂子)

多言語で「日本の昔ばなし絵本」詳細・頒布Multilingual Japanese folktales