よくある質問

Q1:シュタイナー学校では、「自由への教育」を目指しているといわれますが、それはどういうことでしょうか?
A1:この学園が目指しているのは「自由な教育」ではなく「自由への教育」です。「自由な教育」というと、子どもたちを勝手気ままに好きなようにさせておくことと思われるかもしれません。しかし、子どもたちは、教師を心から敬愛できる環境の中でこそ、信頼と喜びを持ち学べるのです。そのことを通して大人になった時に、自ら判断し行動することのできる人間になるのです。わたしたちはこのことを「自由への教育」と考えます。
Q2:エポック授業とは何ですか?
A2:毎朝100分間、3?4週間にわたってひとつの教科を集中的に学ぶ授業スタイルをエポック授業と呼んでいます。細切れでない集中した学びが得られるとともに、学び終えた教科はいったん忘れることで学習内容はしっかり消化され、より深い理解へと変化していきます。一方、外国語、音楽、オイリュトミー、手仕事など専科授業は、エポック授業の後リズムをもって決まった曜日に行なわれます。
Q3:クラス担任が9年間持ち上がるのはなぜですか?
A3:就学から思春期に至るまで、心身ともに大きく変化をとげる子どもたちを一貫して見守る存在がクラス担任です。9年間一つのクラスと歩み続けることで、教師は子どもたちの成長の変化を的確に捉え、ふさわしい教育を行うことができます。教師も常に変化を求められ、子どもたちとともに成長してゆくのです。
Q4:担任教師が全ての教科を教えるのですか?
A4:担任教師は主に、「エポック授業」を受け持ち、専科の授業は各科目の教師が担当します。担任教師は多くの教科を準備し、研究を深め、学んでいく姿勢を常に持っています。また、必要に応じて同僚の教師たちと特定の科目については共同に研究を行い、どの教科でも充実した授業を行えるように努力しています。
Q5:点数による評価や評定は行わないのでしょうか?
A5:行いません。学年末には、それぞれの成果と課題が表現された文章と詩による通信簿が一人ひとりの子どもに贈られます。良い点数を取るためではなく、学ぶ喜びや発見の驚きが、子どもたちの心身を健やかに育てると考えるからです。年齢に即し、成長発達段階に合ったテーマを与え、芸術的な方法を通して学ぶときに、子どもの内面から学ぶ意欲が生まれます。
Q6:オイリュトミーとは何ですか?
A6:オイリュトミーは言葉と音楽を、法則のある空間、形の中で身振りをもって表現する動きの芸術です。一人で、もしくはグループで作品を創り上げることは、洗練された空間感覚を鍛え、社会性を学ぶことを促進します。ひとつひとつの言葉や音楽の要素は自分自身の身体を通して表現されます。それによって生き生きとした注意力、創造性、心のこもった意識的な動きをする力が修練されます。
Q7:9年間、温かく小さな社会で育った子どもたちが、現実の社会生活に適応できるのでしょうか?
A7:シュタイナー教育では、子ども時代に豊かで正しい感情を育てます。また、自らの身体を動かし、感じ、考えるプロセスを通し、なすべきことを自発的に実践していくことを身につけます。世界を肯定的に受け止める姿勢は、後に責任をもって社会を担っていく力となります。
世界的な規模でシュタイナー学校卒業生に関する追跡調査がなされています。その結果、卒業生たちには大学において積極的に学ぶ姿勢が顕著に見られました。また、社会人となってからは多様な職業に就き、それぞれの分野で高い評価を受けている、との報告があります。
Q8:子どもたちにシュタイナーの世界観を教えるのですか?
A8:ルドルフ・シュタイナーの世界観、人間観はシュタイナー教育の基礎となっていますが、子どもたちにそのような世界観を直接教えることはありません。
Q9:保護者は学園とどのように関わっていくのでしょうか?
A9:保護者は、学園運営や日々の教育を支える活動に関わっていきます。教員と保護者が共に働くことによって生まれる信頼関係の中で、子どもたちは安心して学校生活を送ることができます。また、保護者の無償の活動により、学園の経済は支えられています。
シュタイナー教育をより深く理解するための勉強会に積極的に参加することも大切だと考えています。
Q10:子どもたちの学籍はどうなりますか?
A10:当学園は、法令の定める学校ではないので、学籍を置くことはできません。法令に従い、子どもの学籍は地域の公立校に置かれます。保護者は各自該当校に出向き、立場を説明する必要があります。地域の公立校への連絡や、学籍に関する諸手続きについては、活動グループ「子どもの教育権を考える会」が相談に応じています。
Q11:9年生までということですが、中学卒業資格を認められますか?
A11:当学園は現時点では公式の卒業証書を発行する資格を持ちません。そのため、学籍校から卒業証書を発行してもらうことになります。これまで希望したにもかかわらず発行されなかった例はありません。
Q12:高等部(10年生?12年生)を作る計画はありますか?
A12:今のところ高等部を開設する予定はありません。高校進学については、他のシュタイナー学校高等部とも連携をとっています。
Q13:教育上特別な支援を必要とする児童の受け入れは可能でしょうか?
A13:当学園は、現在、そのような体制を持っていません。補助なしで一斉授業を受けられることを受け入れの基準としています。
Q14:学童保育はありますか?
A14:「ペレの家」という放課後と長期休み中の子どもたちの居場所を、学園の事業として運営しています。

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