子どもが生まれた瞬間から
わたしたちは『親』になる。
今まで”名前”で呼ばれていた自分が
“〇〇のお母さん”になる。
でも
お母さんと呼ばれたからってそれだけで
わたしはきちんと『お母さん』になれるのだろうか?
[子育て]という
自分史上、前代未聞の初めてのタスクに
ジタバタしていたころを思い出す。
『お母さん』としての振る舞い
『お母さん』としての考え方
今までのように自分のためじゃなく
この子のために
なにか特別なことをしなきゃいけないような
特別な自分にならなきゃいけないような
そんなプレッシャーのようなものも感じていた。
そんな時に出会った[シュタイナー教育]。
息子が2歳くらいの頃だったろうか。
風を受けて進むベビーカーの中で
空に向かって手を伸ばし、楽しそうに笑っていた息子。
なにもないのに
なにをしてるんだろうーと眺めていたら
その手で捕まえようとしていたのは「風」だった。
大人には見えないものを、
子どもたちこそしっかりと感じることができる。
大人のわたしにとって
そんな子どもの感性にあらためて
畏敬の念を持つできごとだった。
そして思った。
そんな子どもならではの感性をそのままに慈しみ、守ること。
それがわたしにできる唯一の
『お母さん』らしいことかもしれないな、と。
学園で過ごす、この最後の一年
ここまできたんだなぁと、ふと、しみじみ。
(9年生保護者)
まっさらな命が誕生した瞬間から、両親はお母さん・お父さんと呼ばれますが、そこに試行期間はありません。若葉マークのお母さんに全てを委ねるこどもの信頼に応えながら、私たちは親になっていくのです。
そして幼い子どもたちは、いつも一緒にいるお母さん・お父さんを真似ながら「人になる」ことを体得していきます。2・3歳までの子どもたちの姿とともに、親子に行き交うものを観たいと思います。
みなさんが「親になること」を楽しめますように。
2022年5月28日開講
幼児教育講座「子どもと過ごす時間~親子に行き交うもの~」宮地陽子先生
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