毎年この時期になると、新入生保護者を対象に学園周辺を散策する「ぐるっと探訪会」を行っています。
子どもたちが授業でも度々訪れ、豊かな自然と触れ合える格好の“学び場”を、保護者も歩いてみよう、という企画です。
参加した保護者の感想です。
この日の天気予報は、最高気温29度、晴れ。
暑いのも歩くのも苦手な私にとっては、なかなかの悪条件。通常であれば迷わず不参加を選ぶのですが、現在3年生の娘が1年生だった時、このイベントから帰ってきた方々のお土産話を語るさまがとても充実した様子で、次の機会には絶対参加しよう、と2年間楽しみにしていたのです。
萱場公園を突っ切り、グリーンタウンを進んでぷかぷか周辺、ログハウス。その先へ行くのは初めてです。
団地、団地、どこまで続くのか、と想像以上に長いグリーンタウンを抜けたと思うや若葉台団地が目前に登場。こんなに近いとは。この一帯がニュータウンだった頃を空想したりしていると突如、景色が一変。
遠くまで広がる空と地面の境に、もくもくの夏雲ともりもり茂った緑。とても住宅地に隣接しているとは思えないスケールの風景が広がるそこが、学園の畑があるところでした。
電線の黒筋が入らない広い青空の下、畑に向く意識を邪魔するような看板なども視界に存在しません。環状4号沿いの校舎から程よい距離にこんな空間があるなんて。学園のこどもたちにはこれが当たり前のものとして与えられている。良い学校だなぁ。とあらためてかみしめました。
その後、乗馬クラブのカフェで休憩し、新治の森へ。
私はそれまで入り口付近に数回入った程度で、ちゃんと進入するのは初めてでした。
鳥のさえずりが住宅地で聴くよりもずいぶんのびのびとした歌声だったり、かつ人間の畑があったり。
私の故郷は北海道札幌で、自然は多いのですが、人間のエリアと自然エリアがはっきり区別されています。原生の自然は神秘的で、アイヌ語の名前が付いていたりして、深入りしてはならないものという印象で、全く親しめる存在ではありませんでした。人と自然が共生する里山、とは逆の性質の自然です。なので例えば昔話の「おじいさんは山へ芝刈りに」と聞いても、自然と人との関係が近すぎて理解が及ばない謎の設定だったのです。
なるほど、昔話の山はこんな里山だったのか、と長年の謎をようやく解明しながら、日本の自然観はこんな感じなんだなぁと初体験しながら、やっぱり北海道は本質的に日本じゃないなぁと考えたりしながら、新治の森を歩きました。
校舎外の学びの場をめぐるこの会は、要所要所での学園事務局長(※広報の会注:ガイド役として同行しています)による補足情報も合わせ、こどもたちがどんな環境で学んでいるか、そしてその魅力を体感出来る、素晴らしいイベントでした。
さらに、乗馬クラブでのお茶とケーキ、旧奥津邸でのお弁当、たくさん歩いて着いた休憩場所がどちらもご褒美にふさわしい素敵な場所なのも嬉しく、始まりから終わりまで満ち足りた時間を過ごすことができました。
参加して良かったです。
(1・3年生保護者 笹本知子)
10月7日(土)には、一般の方向けの「学園周辺ぐるっと探訪会」を開催します。詳細は後日WEBサイトに掲載します。ふるってご参加ください。
(広報の会)