まだまだ残暑の厳しい9月下旬の土曜に多くの教員・保護者が集まって校内研修が行われました。
保護者は任意参加にもかかわらず、30名以上はいたでしょうか。静かな熱気に満ちた空間で研修が始まりました。
今回のテーマは<体育>。
夏休み中の教員研修で、イギリスより来日されたマーティン・ベイカーさんから「ボートマ体操」を学ばれた先生方が、体操やその背景にあるシュタイナーの人間観などをお話と実践を通して教えてくださいました。
「ボートマ体操」というのは、シュタイナー学校で最初の体育教師となったボートマが、<姿勢をよくするためにはどうすればいいか>をシュタイナーと共に考えてつくり上げた体操。
天と地をつなぐようにまっすぐ立つために必要な力を養っていくことを目的としているようです。
全部で30の動きがあるそうなのですが、この日はその中から準備運動のような動きをいくつか実践していきました。
「体操」という言葉から「ラジオ体操」のようなリズミカルで軽快な動きを想像していましたが、「ボートマ体操」の動きはとても穏やかなものでした。
(実際にはもっと激しい動きのものもあるのかもしれませんが!)
普段なかなか意識しない筋肉や関節に意識を向けながらゆっくりと体を動かすので、マインドフルネス瞑想のような面がありました。
何かと忙しい日々の中では瞑想のために時間を取るのは難しいのですが、ほんの数分で終わるこの体操の間だけでもマインドフルでいられると心にも体にもとても良さそうです!
(研修後、毎朝・毎晩やっていますが、血流が良くなるのでとても気持ちが良いです)
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ボートマ体操の意味・背景の説明として、小さいころにはなかったパーソナルスペースが
成長に伴ってどのように形成されていくのか、それに合わせて体育の授業の内容がどのように変化していくのか、というお話をお聞きし、
だから低学年のうちは授業の名前が「体育」ではなく「運動遊び」なのか!
と腑に落ちるとともに、
わたしもこういう授業であれば体育嫌いにならずに済んだかもしれないなぁ
と思ったのでした。
また、鬼ごっこが、神経系の発達や下半身の筋力アップにつながるだけではなく社会性を育むこともできる大切な遊びだというお話もあり、子どもたちの成長にとって必要な刺激というのは特別な場所や道具がなくても十分得られるものなのだ、ということがあらためてよくわかりました。
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余談ですが、5年生の娘が、わたしがボートマ体操のある動きをしているのを見て
「え!何で知ってるの?」「こうやるんだよ!」
と教えてくれたのですが…めちゃくちゃ動きが早くて、ついつい「もっとゆっくりの方がいいんじゃない?」と言いたくなりました。
ですが、きっとこれはこれで意味があるんだろうな、いずれゆっくり動けるようになってこの気持ちよさがわかるときがくるんだろうな、と思いとどまったのでした。
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…という文章を書いたあとで、娘の担任の先生に上記のエピソードを話したところ、なんと、体育の授業では実際に速いバージョンを教わっているとのこと!(娘よ、ゆっくり動けないのだと勘違いしてごめん!)
5年生の体には、速くてリズミカルな動きの方が適しているということなのでしょう。
うーん、奥が深いぞ!ボートマ体操!!
(5年生保護者)