9月12日(土)午前中、保護者にシュタイナー教育の学びを深めてもらうことを目的として年に2回行っている校内研修の第2回目が行われました。テーマは第1回目からの継続で「教師と保護者で考える 子どもの健康なくらし その2」でした。
前回はメディア機器、「テレビ」「パソコン」「携帯電話及びスマートフォン」について10のグループに分かれてそれぞれが劇仕立てで自分たちの考えるところを表現しました。今回は入場の際に前回参加した方々に同じグループで集まっていただき、そこに今回初参加の方々が何人ずつか加わる形で7グループに分かれました。最初は前回の各グループでどんな内容の劇を考えたのかを紹介していただきました。それから今回の7グループに上記の3つのアイテムについて「問い」を考えてもらい、その「問い」に対する「解決策」を話し合ってもらいました。そして最後は全員でそれぞれの話し合いの共有をし、意見を出し合いました。
最後の話し合いでは高学年の保護者から「この教育の方法で子どもを育てたいと願いつつも100%それを実行することは難しく、最終的には各家庭の状況で祖父母などとの関係を円満に保ちながら子どもの健康を最大限守る措置を保護者の責任で行うしかない。」という意見が出されました。また、「大人が学校に対して裏表を使い分けるような態度を子どもに見せてはいけない。」や「現代は誰もが何についてもすぐに答えを知りたいと思い、分からないままにしておけない時代になっている。」という意見もありました。提出してくださった感想の中には「自分の生活を振り返る機会になった。反省し理解し実行したい。」「他の学年の保護者の本音の話が聞けてとても良かった。大人のこういう真摯な話し合いが子どもたちに伝わることを願っている。」「子どもの成長について改めて考える機会になった。」「何が、何故大切なのかを自分自身が考えて行動することが何よりも子どもたちに良い影響を与えるのだと再確認した。」などがありました。
大きな感動を伴って一段一段階段を上るようにシュタイナー教育は進んでいきます。その子が今どの段階なのかは教師も保護者も子ども一人一人を見つめてよく考えなくてはいけません。忙しい毎日の中で子どもの教育について迷い、悩み、考え、立ち止りながらも善きものに向かって諦めずに一歩一歩進んで行くことは簡単ではありません。特に教育方針の違う人と意見がぶつかる可能性があると、それを避けるために仕方がないと自分の意見を言うことを諦めるかもしれません。それが親類や友人だったらなおさらでしょう。しかし、そういう大人の心のあり様を子どもたちは見ています。子どもの時には分かりませんがずっと後になって、自分の健康を大人が真剣に守ろうとしたか、諦めたかを子どもは思い出すでしょう。そしてその大人の姿勢を模倣して生きている自分に気づくかもしれません。
子どもの周りにいる大人たち全員が子どもにとって教師です。子どもを育てると同時に私たち大人は自分自身をも育てなければなりません。人間は一生成長することができる存在です。ですからどうぞ考え、悩んで自分たちにとって一番の答えを見つける努力をしてください。そしてそれを教師と共有してください。その子とその子の家庭にとって何が一番良いかを毎日の学校での子どもの様子を見ながら教師はアドバイスできます。同じクラスの子どもでも教師からのアドバイスは違うかもしれません。誰一人として同じ子はいないのですから。
【参考図書】『メディアにむしばまれる子どもたち?小児科医からのメッセージ?』 田澤雄作著 教文館
(1年生担任 神田昌実)