そこで、「過去の歴史と文化を受け継ぎながら未来へと橋渡しをしていくために、子どもたちと共に成長していけるような 場を創っていきたい。」という思いから私たちは集まりました。
そして、一人一人の子どもたちを愛情と畏敬の念をもって受け入れ、生きていることのすばらしさや自らの存在価値を実感できるような、また周囲の環境や人との調和のとれた関係をもつことができるような、そんな人間のあり方を目指す教育を実践していきたいと考えています。
子どもたちが、既成の価値観のみにとらわれ流されることなく、自由かつ誠実な生き方を自分にふさわしいかたちで選びとり、 自ら人生を創造していけるような力を育てる教育。この教育を「自由への教育」と呼ぶならば、これを実践するために、教育者は全人的な人間観、教育観を持たねばなりません。つまり、子どもの年齢や心身の成長に応じて、いつ、どのように子どもの中の意志、感情、思考に働きかけるべきかを心得ておくことが必要です。
20世紀初頭の哲学者ルドルフ・シュタイナーは、悠遠な時間と空間の視野をもって、人間について洞察しました。 私たちはその人間観に共感し、その思想に基づいて活動します。 シュタイナーは自らの教育論の中で「教育は芸術にまで高められなくてはいけない。」と言っています。教育を単なる知識の伝達や技能の開発のためで終わらせず、「人と人との出会いの芸術」であるとするシュタイナーの考え方は、シュタイナー教育が実践されている世界中の学校で今も生きています。教育者は、すべての授業の中に音楽、詩、動作、色や形を豊富にバランスよく取り入れて、子どもたちが魂の深い所でその内容を受け取れるように心を砕くのです。
そしてそれは精神文化の領域である「教育の自由」が真に認められてこそ、最大限に生かされるものです。私たちはこのような教育が、社会への新しい力となっていくと信じています。また、この教育実践を支えるために、ここに集う一人一人の手による自主的な運営を行います。
横浜やその近郊では、父母や教師による様々なグループによって、幼児や小中学生へのシュタイナー教育が小規模ながら 10年以上にわたって実践されてきました。私たちはこの地道な活動を足がかりとして、現代日本の社会のなかで、「地域社会と共に歩みながら成長できる学園」をつくることで、健全な社会建設の一端を担っていきたいと思い、全日制の教育実践活動を行う特定非営利活動法人横浜シュタイナー学園を設立します。
平成15年9月7日
特定非営利活動法人横浜シュタイナー学園
定款はPDFファイルにて公開しています。
*内閣府NPOポータルサイトに飛びます:閲覧書類等 → 定款等をご参照下さい。