横浜シュタイナー学園は2011年1月11日、パリのユネスコ(国連教育科学文化機関)本部より、ユネスコスクールとして認定されました。NPO法人運営の学校としては国内で2校目の認定校です。財団法人ユネスコ・アジア文化センター、ユネスコスクール支援大学間ネットワーク、文部科学省・日本ユネスコ国内委員会の支援・審査を経て、これまでの教育実践が「国連の良心」とも称される機関によって評価されたことに、私たちは大いに勇気づけられています。
「平和」 や「国際連携」などユネスコが掲げる理念の実践に取り組む学校で、世界181カ国で約10,000校が認定されています。国内では939校あり、シュタイナー学校が3校含まれています(いずれも2015年6月現在)。
これらの学校は、地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発を目指し、各校で独自の取り組みを行うと同時に、それぞれの学校が地域や学校種を越え、その教育活動について他の加盟校と連携を図っています。
→持続可能な社会の担い手を育む教育。社会の諸問題と自分のつながりに気づき、多面的・総合的にとらえて解決できる力を育てる
→自分たちだけではなく次の世代のことも考えて行動する人に
→我が国の提唱により開始された2005?14年は「国連持続可能な発展のための教育の10年」。ユネスコが主導機関で、ユネスコスクールはその担い手として期待されている。また、文部科学省および日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールを持続発展教育(ESD)の推進拠点と位置づけ、加盟校増加に取り組んでいる
当学園のユネスコスクールとしての活動の詳細は「ユネスコスクール活動報告」をご覧ください。
横浜シュタイナー学園ユネスコスクールグループは2011年の東日本大震災と福島第1原発事故を受け、支援を学内で呼び掛けました。まず同じユネスコスクールを多数抱え、津波で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市に物資をお送りすることを決め、気仙沼市教育委員会と連絡を取りながら、要望をいただいたプランター等を義援金で購入、2011年5月に現地へ送りました。さらに2012年3月、福島市のシュタイナー保育施設「こどものいえ そらまめ」を訪れ、義援金をお届けしてきました。
横浜シュタイナー学園は2011年6月12日、オープンデイに先立ちユネスコスクールのプレート贈呈式を行いました。日本国内ユネスコ委員会や財団法人ユネスコ・アジア文化センター、学園を応援してくださっている研究者の方々から温かいあいさつをいただきました。また地元の方々も足を運んでくださいました。多くの方々に支えられながら、学園の社会的な意義を共有した記念すべき1日となりました。
年に1回、全国のユネスコスクールが集う大会があります。2011年は東京の東京海洋大学で行われ、教員2人と保護者1人が参加しました。加盟他校と意見交換をする中で交流が深まり、学園の取り組みや教育カリキュラムをほかの学校関係者に知っていただく貴重な機会となりました。
シュタイナー教育をユネスコスクールの観点から探ろうと2012年2月、勉強会を開きました。
ユネスコスクールは持続可能な社会の担い手をつくる教育(持続発展教育=ESD)を柱としていますが、体験重視や教科横断などシュタイナー教育のカリキュラムはもともとESDの要素を含み、時代が要請する最先端の内容であることを学びました。
ワークショップ「地球が100人の村だったら」では参加者が世界の現実に思いをはせ、この社会の持続に何ができるかを考える場になりました。
卒業した学園1期生<担任・長井麻美>の授業実践が文部科学省より「ユネスコスクールESD優良事例」として認定されました。
7〜9年生の化学の学びと農業実習の学びがつながり、環境問題を考える視点へと発展する授業実践が評価されたものです。